血液型検査のサポートBlog

血液型検査(輸血検査)で生じる悩みや疑問(はてな?)をサポートする医療従事者向けのBlogです。

#099:レクチンによるpolyagglutinationの鑑別の(はてな?)

Polyagglutinationとは、細菌などの酵素によって赤血球表面のシアル酸が切断され、潜在性のT抗原が露出し、成人のあらゆる血漿(血清)と凝集反応を起こすことです。成人の血漿(血清)中には、これらのT抗原と反応する抗T抗体が抗Aや抗Bなどの規則抗体と同…

#098:血液型精査におけるレクチンの活用の(はてな?)

レクチンとは、糖鎖と結合する能力を有する抗体以外のタンパク質で細胞や複合糖質を凝集し、単糖又はオリゴ糖によって特異的に阻止される特徴もあります。一般的にレクチンは、植物・動物・微生物等に存在するタンパク質、糖タンパク質のうち、糖に対する特…

#097:オモテB型でウラ検査の抗Aが弱い場合に考えること!の(はてな?)

ABO血液型はオモテ・ウラ検査のロジックで判定することから、オモテ・ウラ不一致の場合やウラ検査の凝集態度が弱い場合には亜型を考慮する必要があり、ABO血液型判定を躊躇する場合があります。今回はオモテB型でウラ検査の抗Aが弱い場合に考えること!の(…

#096:ABOウラ検査の反応が弱い場合に想定すること!の(はてな?)

ABO血液型の決定は、赤血球側のA又はB抗原の有無を調べるオモテ検査と、血漿(血清)中の規則抗体の抗A又は抗Bの有無を調べるウラ検査が一致した際にABO血液型を決定します。オモテ検査の反応において、明らかな部分凝集や反応が弱い場合は、亜型や血液型キ…

#095:モノクロ抗D(IgG+IgM)を用いた吸着解離試験の注意点の(はてな?)

RhD血液型は、抗D試薬との反応性からD陽性、D陰性に大別されます。直後判定において陰性の場合は、引き続き間接抗グロブリン試験(IAT)によるD陰性確認試験を行い、最終判定を行います。通常、臨床の現場において抗Dによる吸着解離試験を行うケースは少なく…

#094:唾液検査でABO型が判定出来ない場合は爪を用いる!の(はてな?)

抗A又は抗B試薬と直接凝集反応を呈さない亜型(Bm、A1Bm、Ael、Belなど)の場合、吸着解離試験を行い赤血球上に微量に存在する抗原の有無を調べて血液型を決定します。しかし、使用する試薬の問題もあり、予想した結果が得られない場合や非特異反応によって…

#093:ABO亜型個体の唾液中のA,B型物質量の(はてな?)

ヒト唾液中には、赤血球のABO血液型と同じ型物質が存在します。唾液中に含まれるABH型物質は、亜型個体では赤血球上の抗原が少ないのと同様にABH型物質も少なくなり、亜型と確定するための一つの特徴と位置づけられてきました。また、造血幹細胞移植を行い、…

#092:唾液検査に使用可能なモノクロ抗A、抗Bの(はてな?)

ABO血液型精査において、亜型や血液型キメラを決定する一助として唾液中の型物質を調べる検査があります。唾液中の型物質や爪のABO型は生涯変わらないため、造血幹細胞移植後や血液型キメラの場合に被検者本来の血液型を調べるには有用な検査となります。唾…

#091:モノクローナル抗A、抗Bの非特異反応の(はてな?)

ABO血液型の亜型が疑われた際には、抗A、抗Bによる凝集の強弱(凝集開始時間)や部分凝集反応の有無が観察され、必要に応じてレクチンとの反応性、爪又は唾液中のABH型物質、血漿中糖転移酵素活性などの追加検査が行われます。抗A、抗Bと直接凝集を示さない…

#090:ABmos表現型の血漿中B転移酵素活性の(はてな?)

ABmos表現型とは、本質的にはAB型であるものの通常のB抗原量を有する赤血球と抗原量が低下又は様々な抗原量を有する赤血球が混在している表現型です。そのため、抗B試薬と凝集が若干弱くなったり、背景に濁りを生じたりします。これは血液疾患等で観察される…

#089:抗B試薬との反応が弱いAB型(ABmos?)の(はてな?)

ABO血液型判定のオモテ検査の抗A又は抗B試薬との反応において、亜型と言うほど抗原量の低下はないものの、僅かに反応しない赤血球がある、又は若干背景に濁りを生じる場合があります。このような検体では通常ウラ検査は正常であり、ABO血液型の判定としては…

#088:赤血球A,B抗原量と血漿中A,B転移酵素活性の(はてな?)

赤血球上のABH抗原は、骨髄のGolgi体で糖転移酵素(膜蛋白)の作用によって糖付加されてA型又はB型抗原を有する赤血球が生合成され末梢へ出てきます。新生児では糖転移酵素活性が成人に比べて低いため、A,B抗原量は成人と比べて1/4程度になっています。一方…

#087:Le(a+b-)型血漿による抗Leaの凝集抑制の(はてな?)

抗Leaや抗Lebの抗体は、主にLe(a-b-)表現型個体から検出されます。多くは自然抗体として保有し、主に室温~37℃の比較的温度幅が広い相で反応するIgM性の抗体ですが、中には間接抗グロブリン試験のみで検出されるIgG性の抗Leaも時々検出されます。Le(a-b+)個…

#086:RhD陽性とRhD陰性の血液型キメラの鑑別の(はてな?)

ABO血液型のオモテ検査において抗A又は抗Bと部分凝集を示し、精査の結果、血液型キメラであることが判明することが時々あります。その際、抗A、抗B等を用いて凝集部又は非凝集部に分離し、それぞれの集団を検査するとABO以外にも不一致を認める場合がありま…

#085:唾液による凝集抑制の活用の(はてな?)

ABH分泌型個体のヒト唾液中には、A型個体であればAとH型物質が、B型個体であればBとH物質が、O型個体であればH物質のみが存在しています。輸血検査において、唾液を使用する場面といえば、一般的には亜型等を疑った際のABO血液型精査ですが、実はABOウラ検査…

#084:高力価冷式自己抗体の吸着操作の(はてな?)

冷式抗体とは低温相で最も強い反応を示す抗体の総称であり、主にIgM性の抗体です。また、自己赤血球とも反応する抗体は冷式自己抗体と呼び、代表例である抗Iや抗HIは日常検査でも遭遇します。また、抗I、抗HI以外に血液型特異性のないpan-reactiveな反応性を…

#083:Jk(a-b-)のまれな血液型を推測する2M尿素の活用の(はてな?)

Jk(a-b-)型はKidd血液型のまれな血液型(表現型)です。日本人では5万に1人程度の検出頻度です。Jk(a-b-)型はポリネシア人(数百人に1人)以外では世界的にもまれな血液型です。通常、まれな血液型の判明は抗体保有者から検出されるか、特異抗体による抗原ス…

#082:Kidd血液型のJka抗原量低下の(はてな?)

Kidd血液型は、第18番染色体長腕に存在するJK遺伝子によってコードされたKidd糖蛋白上に抗原が存在します。JK遺伝子は11個のエキソンから成り、エキソン4の3末端側からエキソン11が蛋白コード領域となります。表現型はJk(a-b+)、Jk(a-b+)、Jk(a+b+)が多型性…

#081:B遺伝子由来と考えられる新たなシスAB遺伝子の(はてな?)

シスAB遺伝子とは、一つの対立遺伝子がAとBの転移酵素活性を有する遺伝子のことで、O遺伝子とヘテロ接合しても表現型はAB型になります(通常はB抗原が弱いAB型)。日本人から検出されるシスAB遺伝子は、A遺伝子がベース構造となっているcisAB01とB遺伝子がベ…

#080:遺伝子タイピングによる表現型の推定の(はてな?)

不規則抗体同定において、特異性のある抗体が検出された場合、通常被検者の血液型に基づいて同種抗体又は自己抗体の判断を行っています。しかし、過去3ヶ月以内に赤血球製剤の輸血歴がある場合は、同種赤血球が体内に残っているため、通常実施している血清学…

#079:同一個体の血小板と赤血球上のA,B抗原量の相関についての(はてな?)

ヒト血小板上には、HPA抗原及びHLAのクラスI抗原が存在しますが、微量ながらABH抗原も存在します。一部の個体では、血小板上のA、B抗原が高発現したHigh expresserと呼ばれる個体が、集団の中に10%程度存在することが知られています。しかし、同一個体から…

#078:ヒト血小板上のA,B抗原量の(はてな?)

ヒト血小板上には、ヒト血小板特異抗原(HPA)及びHLAクラスI抗原が存在しています。その他にABH抗原(A抗原、B抗原)も存在しますが、その抗原量は赤血球抗原に比べて少ないため、例えば、A型患者(抗B保有)へB型血小板(B抗原)を輸血しても、レアな組み…

#077:HLA関連抗原であるBg抗原とその抗体の(はてな?)

輸血歴又は妊娠歴のある患者検体の抗体スクリーニング又は交差適合試験で1本のみ陽性となり、引き続き実施した不規則抗体同定用パネルとは全て陰性となる場合があります。又は1本のみ陽性となり、どの抗体にも合致しない場合があります。このような反応を呈…

#076:非特異反応を軽減したPEG-IATの上手な使い方の(はてな?)

ポリエチレングリコール(PEG)を添加した間接抗グログリン試験(PEG-IAT)は、不規則抗体の検出感度に優れているため、試験管法を実施している施設においては、交差適合試験や抗体同定検査に用いられています。しかし、臨床的意義が低い冷式抗体の持ち越し…

#075:抗CD38の干渉(影響)を回避するDTT処理赤血球使用時の注意点の(はてな?)

多発性骨髄腫は、B細胞系の形質細胞が腫瘍化し、細胞の活性化マーカー(CD38)は強陽性を示すことが知られています。CD38 は内在性膜蛋白で、骨髄腫細胞に著しく発現されています。抗CD38モノクローナル抗体薬は新しい骨髄腫の治療薬として徐々に使用されて…

#074:DTT処理赤血球を用いた抗体同定への活用の(はてな?)

赤血球膜上の血液型抗原を担う分子構造を大きく分類すると、糖タンパク質、タンパク質、糖脂質(抗原活性は糖鎖)に分類されます。また、抗原分子の中には酵素や還元剤試薬で抗原が破壊される抗原もあります。逆にその性質を活用し、未処理赤血球と処理赤血…

#073:DTT処理赤血球を使用した際に観察される試験管内溶血の(はてな?)

DTT(dithiothreitol)は還元剤試薬であり、200mM濃度で赤血球を処理することによって、分子内にS-S結合を持つ特定の血液型抗原の破壊(主に高頻度抗原に対する抗体の鑑別のため)やDARA(ダラツムマブ)投与患者の抗体検査のために赤血球上のCD38抗原を破壊し…

#072:IgG性の抗A、抗B抗体価測定の(はてな?)

ABO不適合妊娠の場合やその他の血液型不適合妊娠が疑われ、母親が抗体を保有している際には移行抗体による児への影響を考慮して、母親が保有するIgG性抗体の抗体価を測定する場合があります。IgG性の抗体のみ保有する場合は、通常の間接抗グロブリン試験(以…

#071:10mM DTTによる血清中のIgM、IgG抗体の鑑別の(はてな?)

赤血球に対する不規則抗体の中には、主にIgM性とIgG性の抗体が存在し、IgM抗体は主に直接凝集反応を示す生理食塩液法(Sal法)で検出される抗体です。一方、IgG抗体は通常直接凝集反応を起こさず、間接抗グロブリン試験(IAT)で検出される抗体です[SL.1、S…

#070:不規則抗体の抗体価測定が必要になった際の(はてな?)

通常、輸血を行う際には、ABO及びRhD血液型検査とともに主な血液型抗原に対する不規則抗体スクリーニング(以下、抗体Scr)が実施されます。抗体Scrで陽性を示した場合は引き続き抗体同定作業を行い、検出された抗体の臨床的意義を考慮し輸血用血液製剤が選…